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HIS、子会社で新たに雇調金の不正受給認定 3月に不適正受給15社を公表済み

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 HISグループは2025年9月12日、連結子会社のツアー・ウェーブ(仙台市)が新型コロナ禍の雇用調整助成金を不正受給したとして、厚生労働省宮城労働局から勧告を受けたと発表した。

 ツアー・ウェーブは9月1日付で、違約金・遅延金を含めた1億8,406万2,660円を返還。社内処分として、同社社長の月額報酬を3カ月間30%減額することが社内決議された。

 

 HISグループは、新型コロナ禍以降、給付金や助成金をめぐる不祥事が続いている。2021年には「GoToトラベル」事業で、子会社のジャパンホリデートラベルとミキ・ツーリストが不適切な取引を行い、約6億8,000万円の不正受給が判明。その際、HIS会長の沢田英雄氏は記者会見で、「子会社の全社長と面接を行い、教育してゆきたい」と述べていた。

 

 2025年1月には、子会社ナンバーワントラベル渋谷が受給した雇用調整助成金について東京労働局から不正受給と判断され、約1億円の返還通知を受領した。同日、HIS本体も受給額約243億円のうち約63億円が不適切と認定され、返還通知を受けている。

 

 さらに同年3月には、子会社クルーズプラネットと欧州エキスプレスでも「不正受給」が認定され、特別調査委員会の調査対象29社のうち15社で「不適正受給」が確認された。HISは同委員会の報告を受け、原因分析と再発防止策を公表した。今回のツアー・ウェーブの件は、その調査段階で「不適正」とされていた事案のひとつが、当該当局により正式に「不正受給」と判断された形。

 

 なおHISは9月12日、「HISグループにおける再発防止策実施の進捗報告」を公表した後、「当社連結子会社における雇用調整助成金の不正受給について(続報)」としてツアー・ウェーブの不正受給を明らかにした。いずれの資料にも、3月に判明した残る14社の不適正受給企業に関する情報は含まれていなかった。