青森県の郷土料理「貝焼き味噌」と「みそ貝焼き」は、江戸時代に誕生した漁師料理で、地域によって呼び名が異なります。津軽地方では「貝焼き味噌」、下北地方では「みそ貝焼き」と呼ばれています。(写真提供:青森県)
当初は、天然の大きなホタテ貝殻を鍋代わりに使い、味噌とネギ、にぼし出汁を合わせて焼いて食べるシンプルな漁師料理でした。後に、ホタテ貝柱、イワシ、サバの切り身などの具材が追加され、家庭料理として卵を使ってとじるスタイルも広まりました。家庭では、栄養価が高いことから、当初は病人や妊婦に提供される特別な料理として扱われていました。
現在では、養殖ホタテが主流となり、ホタテが手に入りやすくなった一方、貝焼き味噌に適した大ぶりの天然貝殻は希少です。そのため、漁師家庭では天然の貝殻を特別に保管し、貝焼き味噌専用に使用することがあります。香ばしい味噌の風味とホタテの旨味が広がり、地酒との相性も抜群。一部の店舗では観光客にも提供され、歴史を感じる味わいを堪能できます。
2023年は猛暑により海水温が上昇し、陸奥湾の養殖ホタテ稚貝が大量死したため、今年の出荷量は大幅に減少しました。今後、数年間は漁獲が減少期間に入りました。なお、今シーズンの水揚げは、気温が下がってから行われる予定です。
■「貝焼き味噌」と「みそ貝焼き」を食べに!
地域:青森県(青森市・むつ市・その他)
季節:通年
食事処:
<青森市>
・食事処「おさない」(貝焼き味噌 XXX円)
<むつ市>
・居酒屋「武田屋」(みそ貝焼き 900円)
※いずれも青森県関係者のおすすめ。
※食事処では諸事情により提供が難しい日もあります。事前にお問い合わせいただくことをおすすめします。 |