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熱海のホテル、390万円の補助金不正受給-全国旅行支援不正の公表時期に?

 静岡県は2024年7月5日、全国旅行支援「今こそ しずおか 元気旅」で、エスペランサリゾート熱海が不正請求事案と対策について公表しました。全国旅行支援はコロナ禍の観光事業者を支援するため、観光庁と都道府県により2022年10月~2024年9月に実施されていました。

全国旅行支援「今こそ しずおか 元気旅」メイン画像

 エスペランサリゾート熱海は、英進リゾート&ダイニング株式会社(東京都板橋2丁目)が運営する宿泊施設です。同施設は同一人物が同日に複数の部屋に宿泊していたことが2023年1月に判明。その後の調査では、宿泊実績がないにもかかわらず、地域クーポン代金393万7000円を取得していたことが明らかになりました。

 

 不正疑惑に対して、エスペランサリゾート熱海は宿泊実績があると主張しましたが、静岡県が新たに求めた資料により、申請件数13,273件のうち約96%に不備が見つかりました。県は2024年3月時点で同施設から申請されていた約7500万円の支払いを行わないことを決定し、支払い済みの地域クーポン代金の返還請求を行いましたが、返金されていません。静岡県観光政策課は、「相手と連絡が取りづらく誠実さを感じられない。今後、必要に応じて警察への被害届の提出を検討している」と述べました。

 

 テレビ静岡は7月5日、エスペランサリゾートの公式サイトにアクセスすると「2024年6月30日にサービスを終了いたしました」と表示されていたと報じましたが、現在サイト自体が確認できません。同施設について所在地の熱海市観光協会に尋ねると、「観光協会とホテル旅館協同組合には加盟していないのでよく分からない」と話します。編集部が8日に同施設に電話をかけましたがつながりませんでしたが、楽天トラベルやJTBるるぶ、Yahoo!トラベルでは宿泊予約を受け付けています。

全国旅行支援の不正受給4パターン

 観光庁に聞くと全国旅行支援における不正発覚は以下の通り考えられると話します。1つ目は静岡県のように、自治体と宿泊施設の間で発覚する場合、2つ目は自治体が委託した旅行支援事務局の報告書で発覚する場合、3つ目は自治体から観光庁に提出された報告書で発覚する場合、4つ目は別の補助金事業で不正が見つかり、旅行支援事業を検査した際に発覚する場合とのことです。
 これらを踏まえ、今後、2023年度末の検査で判明した不正が公表される時期に入るのか問うと、「一概には言えないが、そういう時期とも考えられる」と答えました。

GoToトラベル不正は事業年度末から約9か月後の公表

なお、2020年度に実施された「GoToトラベル事業」では、旅行大手HISグループによる約7億円の不正受給が2021年12月に公表されました。公表は、不正発覚後、観光庁や自治体と事業者間で問題がこじれたり、不正額が高額だったりする場合に行われる傾向があります。

 

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