2024年11月1日、東京国立博物館で開催された「ハローキティ展」の初日、一部来場者のマナーの悪さと運営の不手際で大混乱が発生。会場内外が混雑するとともに、外国人の転売目的と思われる大量購入行為も見られ、多くのファンの期待が裏切られました。
【写真】10月30日の開会セレモニー(左から:東京国立博物館館長 藤原誠氏、サンリオ専務取締役 大塚泰之氏、日本テレビ常務取締役 澤桂一氏がハローキティとともにテープカットを行った) |
開場前から1000人以上が列を作り、開門と同時に「押さないで」「待って!」という叫びが響く混雑ぶりでした。7時間並んでいたファンによると「館内の状況が分からない」「スタッフもいない」という不満の声が上がり、さらに外国人グループによる大量購入の転売行為が目撃され、日本人ファンの怒りと失望が広がっています。
YouTube動画はハローキティファン「魔法使いちくわ」さんの現場レポート。
その後、中国のフリマサイトで、会場で販売されていたハローキティの商品が定価の4倍以上で転売されていることが明らかになりました。
サンリオは2023年3月期にアジア地域で約115億円の売上を記録し、中国市場はそのうち約64億円を占めています(2024年3月期不明)。同社は2003年に上海に現地法人を設立後、2015年には浙江省に海外初の「ハローキティパーク」をオープン。2023年には中国アリババグループとライセンス契約を締結し、中国市場での事業拡大が進められています。なお、今年8月に発表された、2025年3月期の業績予測では、中国市場における収益拡大が強調されました。
なお、ハローキティ展は「サンリオ」のほか「電通」、「日本テレビ」、「ぴあ」などが共同で主催しています。しかし、昨今のサンリオキャラクターの中国市場の浸透や、外国人による転売問題などを考慮した、運営計画と危機管理対策が欠如した運営が行われました。
サンリオは11月2日、公式サイトに謝罪文を掲載し、販売個数の制限や入れ替え制の導入などの改善策を発表しました。会期は2025年2月24日までですが、限定グッズは既に完売しています。なお、混乱の原因についての詳細な説明は示されていません。
この件に関する大手メディアの報道は、FNNニュースプライムに限られており、特に日本テレビは、10月30日の開会セレモニーは報道したものの、初日の混乱については報道していません。