東京都は、臨海副都心の活性化を目的に、お台場海浜公園(港区)に世界最大級の噴水「ODAIBAファウンテン」を設置し、2025年度末(2026年3月)の完成を目指す計画を進めています。
噴水は高さ150m、横幅250mの組み合わせで、都の花である「ソメイヨシノ」をモチーフにしたデザインが特徴です。夜間には音楽とライトアップが演出され、レインボーブリッジや東京タワーの夜景を背景に華麗な噴水ショーが計画されています。
観光促進と経済効果
東京都によると、噴水プロジェクトは、コロナ禍に減少した湾岸エリアへの観光客を呼び戻し、地域の賑わいを復活させることが目的と説明しています。都の試算では、噴水の稼働によって年間約250万人の観光客増加が見込まれ、約98億円の経済波及効果が見込まれています。
予算と設計
東京都は11月6日に発表された2025年度の予算要求において、噴水の整備費用として約26億2000万円を計上。予算案は来年初めの都議会で承認される見通しです。基本設計は「アトリエ福」が手がけました。なお、噴水の維持管理費は年間1億5000万円から2億円の範囲で見込まれています。
小池都政による観光戦略
噴水プロジェクトは、第3期目の小池都政のもとで推進される大規模な観光戦略の一環。今春に話題となった「都庁プロジェクションマッピング事業」に続き、東京の新たなランドマークの建設が開始されます。
東京都における東京港ランドマーク設置事業
噴水プジェクトは2023年度に約4億円の予算が計上された「東京港における新たなランドマークの設置事業」からスタート。同事業の建設物として2024年3月30日には、晴海ふ頭公園内に「TOKYO」とデザインされた巨大モニュメントが約1憶6000万円で設置されました。
その後、2023年度末予算で、「お台場海浜公園噴水施設基本設計計画」の入札が行われ、東京都関連施設の設計で実績を持つ、アトリエ福が約90万円で受託。そして2024年9月、噴水のデザインとともに2025年度末の完成が発表されました。
「東京ベイeSGプロジェクト」による湾岸エリア再開発
東京都は、山手線内の再開発が飽和状態に達しつつある中、コロナ禍による社会環境の変化を好機と捉え、湾岸エリアでの大規模な再開発計画を立案。
東京都の都市整備局は、2021年に「東京ベイSGプロジェクト」を発表しました。このプロジェクトでは、湾岸エリアにおいて環境やエネルギー分野の最先端技術を活用し、持続可能な都市づくりを目指しています。湾岸エリアは、東京最後の大規模開発の聖地として大企業が関心を示し、今後、地価の上昇や長期的な経済成長が期待されています。