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HIS子会社で雇用調整助成金の不正受給発覚―GoTo不正謝罪会見の時期にも進行

 大手旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)は2024年11月25日、子会社「ナンバーワントラベル渋谷」がコロナ禍において約1億円の雇用調整助成金を不正に受給していた可能性が高いことを発表しました。

HIS

 外国人向けに航空券販売を行う 「ナンバーワントラベル渋谷」は、2020年4月~2023年3月にかけて約1億円の雇用調整助成金を受給していたとされています。HISは社内調査と外部専門家の分析を通じて不正受給の可能性を認めており、現在、東京労働局による調査が進んでいます。

 

 不正受給が確定した場合、ナンバーワントラベル渋谷は受給済み助成金を返納し、当局の処分に従う方針です。旅行業界では今年2月、名鉄観光サービスによる約2200万円の雇用調整助成金の不正受給が発覚し、同社は不正分のほか、正規の助成金額約23億円を返納しています。

「GoToトラベル」謝罪会見時の澤田会長発言

 HISは、コロナ禍の観光需要喚起策「Go To トラベル」事業において、子会社「ミキ・ツーリスト」と「ジャパンホリデートラベル(JHAT)」が約7億円に上る不正受給を行っていたことが発覚しました。

 

 その際、HIS会長の沢田英雄氏は2021年12月の記者会見で、子会社の不正抑止策として、「子会社の全社長と面接を行い、教育してゆきたい」と述べるとともに、ガバナンスの見直しを約束しました。

 

 また、澤田会長自身の責任について質問が及ぶと、「(内部の委員会により)処分されても少しは仕方がないが」と述べるとともに、「HIS本体は一切不正に関与していない」と強調し、あくまで「子会社の管理不行き届きだった」と責任を回避するような態度を取っていました。

 

 しかし、今回、「GoToトラベル」不正発覚時の記者会見と同時期に、別の子会社が雇用調整助成金で不正受給を行っていた可能性が高まり、当時、澤田会長による子会社全社長との面接や、ガバナンスの見直しが行われたのか疑念が残る結果になりました。

 

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