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HIS、雇調金不正で専門家によるガバナンス問題調査-GoTo不正時は沢田会長が是正約束も再発

 旅行大手エイチ・アイ・エスは2024年12月13日、先月末に発覚した雇用調整助成金の不正受給問題を受け、外部の法律事務所による助成金額の調査内容およびガバナンス課題を把握するための特別調査委員会を設置したと発表しました。

HIS エイチ・アイ・エス ロゴ

 2024年11月25日、HISの連結子会社であるナンバーワントラベル渋谷(代表:ランジャン・クマール・ダスデブ)が、コロナ禍における雇用調整助成金を不正受給していた疑いが発覚。現在、東京労働局による調査が行われています。

 

 HISでは、受け取っていた雇用調整助成金全額を検証するため、外部専門家「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」に調査を依頼。11月25日時点で不正受給額は約1億円とされていましたが、同法律事務所は「一部に不適正な受給の可能性がある」と報告しています。

 

 なお、HISグループ全体では、2020年4月~2023年3月の期間に受給した雇用調整助成金の総額が約284億円に上り、このうちHIS本体が約240億円、連結子会社24社が約44億円を受給していました。

特別調査委員会の設置

 HISは、グループ全体のガバナンス上の問題を調査するとし、外部専門家による特別調査委員会を12月13日に設立。今後、委員会において不正受給の原因分析が行われます。HISは委員会の調査報告書を受領後、内容を公表する方針です。

他社における同様の事例

 同じく雇用調整助成金を不正に受給していた旅行大手「名鉄観光サービス」は、約2200万円の不正受給が判明。同社は今年2月、受け取った全ての助成金に違約金や延滞金を加えた約29億円を返納しました。

GoToトラベル不正で約束したグループ企業への調査は?

 HISグループでは、コロナ禍に実施された「GoToトラベル」事業において、子会社2社による約7億円の不正受給が発覚。記者会見でHIS会長の沢田英雄氏は、ガバナンスの見直しを図るため、グループ企業の社長への面談調査を実施することを約束していました。

 

 しかし、ナンバーワントラベル渋谷による雇用調整助成金の不正受給は、面談調査が行われていたと考えられる時期と重なっています。今回は、沢田会長によるガバナンス調査ではなく、外部の専門家による調査報告が注目されます。

 

関連サイト

エイチ・アイ・エス

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