沖縄県名護市で注目される大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」(2024年7月開業予定)の開業を前に、市内の賃貸物件が不足する中、地元の名桜大学では新入生が部屋を確保できない状況が続いている。名護市と大学は5月27日、仮住まいの確保や学生寮設置の検討を含む対策を協議した。

人口の増加や再開発の進行により、名護市では賃貸住宅の供給が追いつかず、2025年度の名桜大学新入生のうち13名(5月27日現在)も下宿先が見つかっていない。大学では研修センターや留学生寮を一時的な住まいとして提供する措置を取っているが、8月末時点でも10人以上が住居未定の見込み。
協議会では、卒業生の退去後の住居情報を新入生に優先的に提供する仕組みや、今後の住宅需給を見据えた学生寮の整備を視野に入れた対応も話し合われた。また、テーマパーク運営会社「ジャパンエンターテイメント」からの工事関係者の退去情報提供を受けるなどする。
協議会で名桜大学・砂川学長は、「学生が安心して学業に専念できるよう、地域の不動産業者と協力し、支援していきたい」と述べた。
沖縄県は5月27日、2025年度の観光収入を1兆56億円、入域観光客数を1040万人と、それぞれ過去最高となる目標を掲げた。観光が新たなステージへ進むなか、地域における「観光」と「定住」の両立という課題として、ひとつのケーススタディーとなる。