menu
  • Instagram
  • Twitter
  • Facebook

富山地鉄が2026年秋に2区間廃線可能性を県紙報道-県肝入り新観光ルート総客担う立山線も

立山線「千垣駅」~「有峰口」の途中にある千垣橋梁
選推土木遺産「千垣橋梁」(立山線「千垣」~「有峰口」間)

 富山地方鉄道が本線の「滑川」〜「新魚津」間、および立山線の「岩峅寺」〜「立山」間について、沿線自治体からの支援が得られなければ2026年秋にも廃線の方針であると、県紙・北日本新聞が2025年7月31日に報じた。報道を受けSNS「X」上では関連ワードがトレンド入りした。

 富山地方鉄道は6年連続で赤字が続いており、2025年3月期は鉄道単体で約8億3800万円、連結では約6億5000万円の赤字を計上している。赤字路線の見直しについては、これまでも富山県や沿線自治体との協議を重ねており、その過程はたびたび報じられてきた。

 

 今回報道された2路線2区間に加え、「不二越・上滝線」も赤字路線として協議対象となってきたが、同線については今年6月、沿線自治体である富山市が再構築実施計画の素案を公表していた。

 

 北日本新聞は、富山地方鉄道が取締役会での方針を沿線自治体に伝えたと報道。その後、他の県内メディアにも報道が広がり、対象2区間の廃線の可能性が現実味を帯びる形となっている。

 

 この報道を受け31日夕方、よい旅ニュース通信が富山地方鉄道の担当者に尋ねたところ、「記事は突然報じられた印象がる」とした上で、「支援が得られなければ廃止の可能性はあるが、現時点で決定した事実はない」と説明。「今後も引き続き、関係自治体との協議を進めていく」との考えを示した。

 


富山地方鉄道路線図

 

廃線危機にある2路線2区間

本線の滑川〜新魚津間は、2015年の北陸新幹線開業に伴いJR西日本から経営分離された第三セクター・あいの風とやま鉄道と並行する短区間で、旅客需要は限られる。立山線の岩峅寺〜立山間は、例年4月中旬~11月30日に80万〜100万人が訪れる立山黒部アルペンルートへの総客を担うが、通年での採算は厳しい。

開業延期が続く新観光ルートへの総客線・立山線に影

これまで富山県では、「鉄道軌道王国とやま」を掲げ、県内12の路線をPRしてきた。さらに、2026年以降には、県と関西電力の協定事業で、立山黒部アルペンルート・黒部ダムと黒部峡谷鉄道・欅平を結ぶ新観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」の開業が予定されている。県肝入りの観光事業を支える交通ハブにもなる、立山線の役割も問われることになる。

 

関連サイト

富山地方鉄道