2024年9月10日より、免許不要の近距離モビリティ「WHILL(ウィル)」のレンタルサービスが神奈川県の小田原城址公園で開始されました。今秋には他の観光地でも順次導入が予定されています。
WHILLは、手元のレバー操作だけで簡単に動かせるモビリティで、坂道や長距離の歩行に不安を抱える人が安心して観光地を散策できるよう設計されています。足腰に不安を抱える高齢者やその同伴者にとって、これまで体験しづらかった新たな旅行の楽しさを提供できることが期待されています。
小田原城跡公園のほか、今秋中に、兵庫県の姫路城や城崎温泉街、石川県金沢市など、他の人気観光地でもWHILLレンタルサービスの導入が予定されています。サービス利用料金や運用ルールなどは各地の運営者により異なります。小田原城跡公園での料金は2時間1000円です。
今秋WHILLが導入される観光地と運営者
- 小田原城址公園(小田原観光交流センター)2024年9月10日~
- 姫路城周辺(姫路ユニバーサルツーリズムセンター)2024年9月26日~
- 京都市伏見稲荷周辺(全席車いすのカフェSPRING)2024年9月27日~
- 金沢市中心(石川バリアフリーセンター)2024年10月以降
- 城崎温泉街(NPO法人ぷろじぇくと)2024年10月以降
WHILLは2012年の創業後、パーソナルモビリティの開発と販売に注力し、2019年からはサービス分野にも進出し、2023年6月からは観光地や商業施設での近距離モビリティサービスを本格展開しています。これまで、全国で60の施設に導入されています。WHILLのレンタルサービスが利用できる場所は、専用アプリの広域地図で紹介されています。
WHILL広報は、近距離モビリティの推進に際し、「行った先で誰もが当たり前に移動できる社会になってほしい」と話します。観光庁の2023年度調査では、何らかの障がいを持つ人が旅行に行かない理由として、「料金の高さ」に次いで「移動の不安」が挙げられています。