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【地元から通信】1年後に迫る北陸新幹線敦賀開業を見据えて、知っておいてほしいこと(福井県敦賀市)

シリーズ第8回「よい旅⇌地元から通信」です。今回、今後1年いや2年は首都圏の観光客の話題になるだろう福井県の、敦賀市観光協会 佐野さんの寄稿が届きました。
来春、北陸新幹線福井・敦賀延伸開業を迎えます。本来、今春開業でしたが、工事の遅れで1年延びました。その分、地域の思いは強いことでしょう。
記者は6年前、敦賀を訪問しました。その時、背伸びして食べた1杯の越前ガニの味は忘れません。素晴らしい景観や国際的な感動ストーリーもありました。この記事を読めば今後、新幹線の話題が分りやすくなります。ぜひ、敦賀に関心を寄せてください(編集部)。(写真: 天筒山展望台からの敦賀港と敦賀半島)

北陸新幹線敦賀開業 天筒山展望台から敦賀市を望む

皆さんはじめまして。敦賀観光協会の佐野といいます。(ほぼ)生粋の敦賀人です。長年敦賀に住んでいましたが、お世辞でも都会とは言えなかったです。しかし、北陸新幹線敦賀開業を約1年後に控え、街中の雰囲気もガラリと変わり始めています。新しいにぎわいが続々出てきている敦賀市をもっと知っていただきたいという想いで、敦賀の最新情報やあれこれを紹介します。開業に向けて着々と準備を進めている敦賀市にご期待ください。

 

福井県。この記事をご覧になる方の多くは、「名前は知っているけど」という方が大半かと思います…。しかし、福井には古き良き伝統や文化、匠(たくみ)の技術が織りなす工芸品等が数多く残っています。そんな福井県のキャッチコピーは「地味にすごい、福井」。

北陸新幹線敦賀開業 地味にすごい、福井

 

恐竜や眼鏡、カニなど合わせて18点のモチーフがギュッと凝縮されたロゴになっています。今、福井県内の県市町や企業団体は一致団結、このロゴを使ってご当地PRに励んでいます。ぜひ、イラストが何かを当ててみてください。

 

そんな福井県のちょうど中央に位置するのが敦賀市です。北は日本海・敦賀湾、三方を山々に囲まれた自然豊かな地形となっています。また、四季がものすごくはっきりとしており、春は桜、夏は海水浴、秋は紅葉、冬は雪景色といったように四季折々の風景が楽しめるのも特徴です。

敦賀市 花換まつり(春)
【春】花換(はなかえ)まつり
敦賀市 とうろう流しと花火大会(夏)
【夏】とうろう流しと大花火大会
敦賀祭り(秋)
【秋】敦賀まつり
敦賀港イルミネーションミライエ(冬)
【冬】敦賀イルミネーションミライエ

 

四季それぞれに敦賀を代表するイベントがあります。

 

つるが、発見!

敦賀市は古くから天然の良港として栄え、諸外国との貿易の拠点、さらに北前船の停泊地でもあり国内の貿易拠点としても発展しました。(昭和初期までは国際港として運用されていました)また、明治に入り政府が航路ではなく鉄路に力を入れるようになった際も、敦賀への鉄道敷設計画は当初から進められており、いかに敦賀が貿易の拠点だったのか、というのが政府の動きからも見て取れます。そのおかげか、敦賀から各都市へのアクセスが非常に便利で名古屋・京都・大阪へは2時間圏内で行けます。さらに来年、北陸新幹線が敦賀まで開通しますので、東京まで乗り換えなし約3時間で行け、ますます都心へのアクセスが便利になります!これまで物流の拠点として発展してきた敦賀ですが、今後は観光の拠点として発展していくのでは…と期待しています。

 

そんな敦賀市の主要な観光スポットをいくつか紹介します。
まず外せないのが、越前国一宮北陸道総鎮守である「氣比神宮」です。

北陸新幹線敦賀開業 気比神社

 

こちらは702年建立と歴史と格式がある神宮ですが、地元の人からの愛着が深く「けいさん」と呼ばれています。そんな氣比神宮の一番の映えスポットは、正面の大鳥居です。高さ約11mもあり日本三大木造大鳥居として国の重要文化財にも指定されています。奇麗な朱色の大鳥居で敦賀のシンボル的存在です。秋には敦賀市民総出のイベントである「敦賀まつり」が氣比神宮周辺で行われることもあり、敦賀市民は99%知っている場所です。

 

余談ですが、敦賀まつりでは毎年恒例の「お化け屋敷」の出店もあります(ここ4年まつりが開催されていないため今後の出店があるかは不明です…)。子供のころ家族でまつりで行くこともあったのですが、お化け屋敷の前を通るたびに泣きわめいていたそうです。その影響か、現在に至るまで敦賀まつりのお化け屋敷に入ったことがありません。(入るのが少し怖いです)入ったことがある方、感想をお聞かせください。泣

 

次に、国の名勝に指定されている「気比の松原」です。

北陸新幹線敦賀開業 気比の松原

 

佐賀県の三保の松原、静岡県の虹の松原と同じく日本三大松原にも指定されている気比の松原は、全長約1km、広さは東京ドーム約7個分となっています。夏には海水浴場として開放され、敦賀市民はもちろん中京・関西圏から数多くのお客さんがお越しになります。また、松林内には遊歩道が完備され、毎朝ウォーキングを楽しむ人が多くいて、市民にとって思い入れが深い場所です。ここ気比の松原は私にとっても思い入れのある場所です。通っていた高校がすぐ近くだったので、部活動の筋トレは「松原浜ランニング」(通称:浜ラン)が定番でした。そのおかげで心身ともに鍛えられましたが、あの地獄は忘れることはできません…。笑

 

最後に、2020年11月にリニューアルオープンした「人道の港敦賀ムゼウム」です。

北陸新幹線敦賀開業 人道の港敦賀ムゼウム

 

敦賀港は、明治から昭和初期にかけて、ヨーロッパとの交通の拠点としての役割を担い、1920年代にポーランド孤児、1940年代に「命のビザ」を携えたユダヤ難民が上陸した日本で唯一の港です。

 

こちらでは、数々の苦難を乗り越えて敦賀に降り立ったポーランド孤児とユダヤ難民の史実を中心に、当時の敦賀市民の証言やエピソードのほか、今も続く関係者との心温まる交流を紹介し、命の大切さと平和の尊さを発信しています。学生の平和学習にはうってつけの施設となっています。近くには敦賀赤レンガ倉庫という観光施設もあり、インスタ映えスポットとして人気です!

 

これまでは、市内の有名な観光施設をご紹介してきましたが、ここからは北陸新幹線敦賀開業に向けたにぎわい創出事業として、ここ近年変革した敦賀のアレコレをご紹介します。

 

まずは、2022年9月から運用を開始した「TSURUGA POLT SQUALE “otta(オッタ)”」です。今後、北陸新幹線敦賀駅(西口)で降りていただき、初めに皆さんをお出迎えする施設です。

北陸新幹線敦賀開業 otta

 

ottaは、約8,000㎡の敷地にワンランク上のビジネスホテル、飲食店・物販施設のほか、知育・啓発施設である「TSURUGA BOOKS&COMMONS “ちえなみき”」が整備されています。また、行き来しやすく、各施設をひさしでつなぎ、一体感があるデザインとなっています。土日には広場でイベント等が行われており、今、一番勢いがある場所です。

 

さらに、先ほどご紹介した人道の港敦賀ムゼウムが点在する「金ヶ崎エリア」も現在進行形で変革を続けております。現時点で未着工ではありますが、近年には宿泊機能付きレストランである「オーベルジュ」が建設予定となっています。その全貌はまだ明らかにはなっていませんが、新たな注目スポットとして期待しています!

 

また、今の敦賀を語る上で外せないのが「北陸新幹線敦賀駅舎」です。現時点はこのような状況です。

北陸新幹線敦賀開業 駅舎

 

外観は完成しており、現在は内装工事をしているところです。この北陸新幹線敦賀駅で特徴なのがその大きさです。駅舎の高さは整備新幹線最大規模となる約37メートルで、駅舎の幅は約55メートルにもなります。1階に在来線ホーム、2階に乗り換えコンコース、3階が新幹線ホームとなっており、新幹線ホームからは敦賀市内を一望できる形になっています。内観の完成が待ち遠しいです!

 

これまでは、主に施設の紹介をさせていただきましたが、旅の目的で重要なのが「グルメ」です。山と海に囲まれたここ敦賀は食も非常に豊富で有名です。一番はやはり新鮮な海の幸。

北陸新幹線敦賀開業 越前ガニ
黄色いタグが越前ガニの証です!

 

冬の味覚の王様である「越前ガニ」を筆頭に、近年ブランド化も果たした養殖魚「敦賀真鯛」や「敦賀ふぐ」のほか、敦賀港で捕れる地魚を使った海鮮丼は絶品です。

敦賀真鯛
敦賀真鯛
敦賀ふぐ
敦賀ふぐ

 

敦賀のブランド魚の敦賀真鯛(左)と敦賀ふぐ(右)
常にランチ時は行列が並んでいるお店もあり、海の幸を目当てで敦賀に来られる県外のお客さんも多いです。
ほかには屋台が発祥とされるトンコツ+鶏ガラがベースとなる「敦賀ラーメン」や、福井県民のソウルフードである「ヨーロッパ軒のカツ丼・パリ丼」などがあります。なお、都心から来る人は、ヨーロッパ軒のカツ丼のボリュームはもちろん、本店の建物に驚きます!興味がある人はググってみてください。

敦賀ラーメン
敦賀ラーメン
ソースカツ
福井でカツ丼といえばソースカツ

 

最後に・・・

今までご紹介したとおり、歴史や風情のある従来の観光スポットに加え、新たな施設ができたことにより、新しい「敦賀市」が生まれ始めています。これまで敦賀に来たことがない人はもちろん、敦賀に来たことがある人でも、その変化やにぎわいを楽しんでいただけるはずです。みなさんのお越しをぜひお待ちしております!また、敦賀観光で知りたいことがあれば、いつでも敦賀観光協会までご連絡ください!

 

文章:佐野亮太(一般社団法人敦賀観光協会)

敦賀生まれ敦賀育ちで生粋の敦賀人。大学進学でいったん地元を離れたが就職を機にUターン。縁あって観光協会へ入社。日々勉強しながら敦賀のディープな情報を県内外へ発信中。好きな食べ物はラーメン。ご当地ラーメン制覇を目標としている。(敦賀ラーメン美味しいですよ!)

 

 

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