「地元から通信」シリーズ第12回です。今回はみんなのアイドル的な観光スポット、北海道 小樽の記念すべきイベントについて、小樽観光協会に勤務する秋村さんがナビゲートしてくれます。なんでも小樽運河が今年12月に100周年を迎えるらしく、9月からさまざまなイベントが開催されるそう。小樽未体験の人も久しぶりの人も、小樽旅行のタイミングでは？ 先日、大雨の影響で道路冠水があり心配しましたが、現在は普段の小樽に戻っています。
小樽のシンボルとも言える小樽運河。小樽運河が完成したのは大正12年（1923年）の12月27日。2023年の今年は、完成から100周年を迎える節目の年なのです。
これを記念して、9月16日（土）から12月27日（水）までの計100日間、「小樽運河100年プロジェクト」と称し、小樽市内ではさまざまな記念イベントを開催します。
小樽運河のこれまでの100年間と、これからの100年を繋ぐための記念イベントをご紹介します。
完成から100年を迎える小樽運河
小樽運河の完成は、小樽の歴史と深く関わっています。
小樽は明治時代に急速な発展を遂げ、なんと1886年～1898年の12年間だけで人口が15,882人から56,961人へ約3.6倍に増え、函館に次いで道内2位の人口となります。
街の発展とともに港に入る船の数も増加し、より近代的な港が求められる中で採用されたのが、運河方式なのです。現在では大型船を接岸させて積み降ろしする埠頭式が主流ですが、当時運河方式は最先端でした。
明治の終わりに小樽運河の設計が計画されてから20年かかり、大正12年に完成！
完成当時の小樽は日本海貿易において最も重要な拠点として、黄金時代を迎えていました。
戦後になって埠頭が整備されたことにより、昭和中期に小樽運河は役目を終え、昭和41年頃には全面埋め立てとする都市計画が持ち上がります。
その後、運河の保存を巡り長い論争が繰り広げられた末に小樽運河は整備され、昭和61年に南側は運河の幅の半分が散策路として生まれ変わりました。
小樽運河の誕生を市民が祝う「小樽運河100年プロジェクト」
本来の役目を終えた今も、小樽運河周辺はかつての名残を残した風景が広範囲に残っています。ノスタルジックな雰囲気を楽しめる人気の観光スポットとして、毎日多くの観光客の方が訪れています。
小樽のシンボル、小樽運河の次の100年を、自分たちの手でつないでいきたい！そんな思いで小樽市内の若者を中心に立ち上げたのが、「小樽運河100年プロジェクト」です。期間中は、小樽運河の100年記念を祝うために、小樽市内の歴史的建造物や古くから残る街並みを会場にしてさまざまな企画を実施します。
イベント運営メンバーは、団体・企業の垣根を超えた約150名の小樽市民。
仕事終わりなどにミーティングを重ね、小樽を盛り上げていきたいという気持ちのもと、イベントの成功に向けて取り組んでいます。
1-オタルオータムフェス2023
明治～昭和初期にかけて、小樽では25もの銀行が小樽の経済活動を支えていました。今なお銀行の建物が多く残る「日銀通り」は、普段は公道として使用される公共の場。イベント期間は、日銀通りの一部が通行止めされ会場になります！ステージ企画や飲食出店を実施予定です。12月27日に迎える小樽運河100周年まで、100日間のお祝いカウントダウンのスタートとなる企画を実施します。
| 「歴史的建造物に囲まれながら、ステージとおいしいものをお楽しみください!」（小樽観光協会・秋村） |
■日時
- 9月16日（土）16:00～22:00
- 9月17日（土）16:00～22:00
- 9月18日（月・祝）11:00～22:00
■場所
- 日銀通り（ステージ、飲食出店）
- 小樽芸術村中庭（子供向け広場）
2-北運河ナイトマーケット～Yummy市
9月11日（月）〜10月15日（日）35日間、北海道各地からおいしいお店が大集合します。会場となる小樽運河の中央橋～旧北海製罐第3倉庫前の散策路では、ライトアップをして皆様をおもてなしします。特別な演出をした夜の北運河で、ゆっくりおいしい時間が過ごせます。
| 「小樽運河がイベント期間限定の演出で装飾されます。きっと思い出に残るはず（小樽観光協会・秋村）」 |
■日時
- 9月11日（月）～10月15日（日）17:00～22:00
■場所
- 小樽運河中央橋～竜宮橋 散策路
- 小樽運河竜宮橋～旧北海製罐第3倉庫前 散策路
3-OTARU夜市
小樽の商店街が盛大なナイトマーケットに変身！観光客も地元民も大歓迎のイベントです。期間中は、おいしいグルメにフリーマーケット、手作りアイテムの物販など多彩なお店が勢ぞろいします。
メインステージでは、プロレスの試合やブレイクダンス大会、ゲームバトル大会など、エキサイティングなイベントを 3.5 日間開催します。ぜひ地元の人と一緒に楽しめるイベントです。
| 「普段は落ち着いている雰囲気の商店街が、賑やかなイベント会場に一転します!」（小樽観光協会・秋村） |
■日時
- 10 月6日（金）～8日（日）、9日（月・祝）子供向けゲームバトル
■場所
- 小樽サンモール一番街
4-OTARU PORT倶楽部 重要文化財パーティー
昨年、重要文化財に指定された「旧三井銀行小樽支店」で開催されるパーティーイベント。普段は美術館「小樽芸術村」の1棟として、かつて銀行として営業していた館内を公開しています。
| 「パーティーでは、館内で小樽ならではの食事と、能、バレエ、ジャズピアノといった芸術を楽しみ、小樽の歴史を未来へつなげる特別な日を演出します。重要文化財で特別感あふれるプログラムをお楽しみください!」（小樽観光協会・秋村） |
■日時
- 11月3日（金・祝）・4日（土）昼の部 11:30～13:30
- 11月3日（金・祝）・4日（土） 夜の部 17:30～19:30
■場所
- 旧三井銀行小樽支店
5-ナゾトキ！小樽運河に隠された秘密
地元高校生の若者ならではのアイデアと企画により、小樽の歴史と魅力を楽しみながら、学び、巡り、そして次世代へと繋げていく心臓バクバク企画。テーマは、日本遺産候補地域『北海道の心臓と呼ばれたまち小樽』を活用した周遊企画。
| 「地元高校生が小樽を盛り上げる! 家族で参加したい企画です」（秋村） |
■日時
- 2023年10月15日（日）10:00～17:30 ※受付16:00まで
■場所
- 受付場所（運河プラザ 前庭）
- 会場（小樽運河散策路 周辺）
イベントを通じて、小樽の魅力を再発見
小樽は札幌からのアクセスが良いこともあり、宿泊を伴わず小樽運河周辺のみを散策して終わる通過型観光が主流となっています。そのため早い時間に閉店する店舗も多く、夜の観光が課題となっていました。
小樽運河100年プロジェクトでは、夜間まで開催するイベントを多く実施することで、多くの市民や観光客に小樽の夜の魅力を再発見していただきたいと考えています。
小樽運河完成からちょうど100年の2023年12月27日には、花火の打ち上げも予定しています。詳細は決まり次第、随時ホームページにてご紹介いたします。
プロジェクトメンバー一同、たくさんの方にお喜びいただけるよう準備を進めております。小樽運河100年の節目の年にぜひ小樽へお越しください。
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文章：秋村 由佳（一般社団法人小樽観光協会） 青森県出身ですが、3年前に縁あって北海道小樽市に移住。2021年より小樽観光協会で勤務しています。好きな小樽グルメは揚げかまぼこ。小樽のかまぼこは本当においしくて、ついついおやつ代わりに買ってしまいます。 |
