政府は2024年1月25日、能登半島地震の被災者支援パッケージで観光復興に向けた「北陸応援割」の実施を正式発表しました。
北陸応援割は、能登地域を除く石川県、富山県、福井県の北陸4県の観光業の再興を目的として実施されます。この施策では、GW前まで(3~4月)、対象地域に宿泊する観光客に対し同一条件で、1泊あたり最大2万円(補助率50%)の割引が提供されます。なお、能登地域は適切な時期に最大7割引の旅行支援が計画されています。
編集部が今の観光状況と北陸応援割について石川県観光課に聞くと、「(風評被害の観光客減少もあるが)金沢の宿泊施設の一部は避難者と支援者で混雑している。北陸応援割が実施されると、旅行者と避難者および支援者での受け入れ体制の調整が必要」と言います。また、福井県観光誘客課は、「県内の観光は通常通りだが、石川と福井を結ぶバスツアーが中止されるなど影響が出ている。北陸応援割と3月の北陸新幹線敦賀開業を契機にして、観光促進を図りたい」と話しています。
ネット上では、「旅行で支援したい」や「寿司を食べに行く」といったコメントがある一方で、「被災地域は観光どころではない」「被災地への直接支援に集中すべき」と賛否あります。
北陸応援割の実施地域は、新潟県から福井県の広範囲に及び、地震の影響を受けていない地域も含まれます。地域を精査した上で統一条件になったのか観光庁に聞くと、「制度をスムースに施行する上で、全県で統一条件になった」と説明します。
追記(1/26):発表翌日の1月26日夕方、関係自治体にヒアリング。現状、国から一切の通告がないため、北陸応援割については何も(時期、割引率など)考えられないとのこと。ここ数日の政府発表は、被災地域に向けてというより、国民に割引き旅行をアピールし、支持を得ることが目的だったとも考えられます。