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大阪万博、「電通」復帰で受注増加-機運低迷からの脱却は可能か?

 万博協会は2024年9月2日、大阪万博のメディアセンター運営を電通が代表を務める共同企業体に委託すると発表しました。入札指名停止措置の解除後、電通の関与が深まる中、同社が機運醸成にどのように寄与するかが注目されます。

大阪万博のイメージ図

 メディアセンターは、国内外メディアが万博の情報発信する重要な拠点で、会期中の機運醸成に大きな役割を果たします。公募は7月12日~8月13日に実施され、29日に弁護士、万博プロデューサー、大学教授の3名で構成される選定委員会により電通などが選定されました。提案金額は約15億8千万円で、共同企業体の他の構成企業は公表(※)されていません。

※大阪万博協会は2024年6月末、事業契約の公表に際して、事業者決定プロセスの透明性を確保するため、共同企業体の代表企業名を公表するルールに改定した。ただし、他の構成企業名は非公開のままに。

 

 電通は東京五輪の談合疑惑による入札停止措置から今年2月に復帰し、新年度以降、①大阪万博の協賛募集業務(手数料収入)や、②開会式関連業務(約9億7千万円)③入場チケット販売促進業務(約10億5千万円)④半年前イベント関連業務(約3千200万円)を受託。新たに大型案件として、⑤メディアセンター運営業務(約15億8千万円)を受託しました。大阪万博の事業では、同様に入札指名停止から復帰した博報堂やADKなど他の大手広告会社を圧倒する受託実績を積んでいるところです。

汐留の電通本社ビル
電通本社ビル

大阪万博の諸問題と低迷する機運、電通への期待?

 2023年2月、電通が大阪府の入札指名停止となった際、万博協会の理事である吉村洋文大阪府知事は、(電通不在が)機運醸成に影響を与えると懸念を示しました。その後、予算高騰、参加国の撤退、建築物への批判、リーダーの不用意発言、空飛ぶ車の断念、メタンガス爆発、期間中のIR工事…など、さまざまな課題が報じられ、依然として機運上昇のきっかけが掴めていません。さらに、大阪万博誘致に尽力した地域政党・大阪維新の会への逆風が強まっています。

 

 このような大阪万博において、今後、電通がメディアやイベント関連業務に関与することで、機運低迷からの脱却が図れるかが注目されます。なお、万博協会は9月前半に、万博の好感度向上を目指した広告宣伝活動「メディアプラン業務」(上限6億円)の委託事業者を決定する予定です。

 

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