観光庁は2024年11月末、訪日外国人旅行者の迷惑行為防止を目的とした新たな取り組みとして、「未来のための旅のエチケット」と「観光ピクトグラム」の2つのコンテンツを発表しました。
「未来のための旅のエチケット」は、訪日外国人旅行者に観光地で守ってほしいマナーを7つの行動例で示したポスターやリーフレットで、5言語に対応。「観光ピクトグラム」では、計22種類のアイコン(禁止系14種と推奨系8種)を作成し、直観的な理解を促します。各コンテンツの開発は、観光専門家らとの会議で十分に検討を重ねた上で、JTBが制作を担当しました。
【7つのマナー(未来のための旅のエチケット)】 01 歴史・文化・自然を学びマナーを守る 02 混雑を避けて、上手に観光する 03 荷物を減らし、手ぶらで身軽に旅する 04 文化財の価値や意味を知り、大切に扱う 05 未来のために、観光地の美しさを保つ 06 地元の産品を選び、地域を応援する 07 ゆっくり滞在して、日本各地の多様な魅力を楽しむ |
観光庁はこれらのコンテンツをSNSや旅行情報サイト、観光地でのマナー啓発活動で展開します。また、旅行者向けに「持続可能な観光の推進に向けて」と題した公式ページ(5言語対応)を開設。同サイトでは2つのコンテンツやマナー啓発動画が公開されています。さらに国内の観光関連事業者や地方自治体向けには、ポスターやピクトグラムのデータをダウンロード(無償)で提供しています。
観光庁外客受入れ担当課は、「各コンテンツは自由にダウンロードして活用いただける。そのまま利用するのはもちろん、地域に合わせて編集するなど、積極的に活用してほしい」と述べています。
コロナ禍を経へ観光庁は、訪日外国人旅行者の誘客を積極的に推進しています。過去最大規模の予算を組み、さまざまな誘客プロモーションや補助金事業を展開することで、2024年10月には訪日外国人旅行者数が331万2000人(日本政府観光局発表)を超え、単月として過去最高を記録しています。
しかし、一部の観光地では、訪日外国人旅行者のマナー違反が目立ち、地域住民の生活に悪影響を及ぼすケースが急増し、問題解決の打ち手が見つからない中で社会問題化が進んでいます。
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