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【緊急取材】大手旅行会社に能登半島地震の支援対応を確認 – 旅行業界の社会的責任視点(CSR)とは?

 2024年1月4日(木)午後、よい旅ニュース通信編集部は大手旅行会社に対し、「令和6年能登半島地震」への支援活動についてヒアリングを実施しました。地域でビジネスを展開する大手旅行会社の考えを確認するとともに、今後の支援を期待する意味を込めています。

能登半島地震
初めに、元日に派生した「令和6年能登半島地震」において犠牲になられた方々への深い哀悼の意を表します。また、被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。何度も足を運んだ愛着のある能登地域の現状をテレビで目のあたりに、悲しみを感じています。今後、観光ニュースサイトとして、各地域の旅行回復期において、積極的に情報の発信を行ってゆきたいと考えます(編集部)。

 

 この調査は、観光地を含む地域が直面した「令和6年能登半島地震」という災害背景下、「地域」でビジネスを行う大手旅行会社がどのように社会的責任(CSR)を果たそうとしているのか、その準備態勢があるのかを現状確認しました。大手旅行会社は北陸地区、能登半島での旅行商品の提供や、被災地観光行政の公共事業を受託するなどのビジネスも展開してます。

 

 ヒアリングの結果、現状、JTBが自社のトラベルポイントで寄付ができる体制を検討中で、他の旅行会社から基本方針や支援計画などは聞けませんでした。それは、今日から始業という事情もありますが、旅行会社の立ち位置を鑑みて、少しばかり三が日から動いていることも期待していました。

 

【ヒアリングの結果】

  1. JTB…「JTBトラベルポイント」寄付の体制を検討中(e.g.マウイ島山火事復興支援
  2. KNT-CTホールディングズ…検討中。
  3. 日本旅行…現地の情報収集中。北陸新幹線敦賀開業に向け検討することになる。
  4. 東武トップツアーズ…まずは現状把握。
  5. 阪急交通公社…これから考える。
  6. HIS…特にない。
  7. JALパック…行う場合はJALグループとして対応。
  8. ANA X…電話不通(1回)。
  9. JR東海ツアーズ…該当部署に連絡取れず。
  10. 名鉄観光サービス…業界団体や親会社の動きによる。
  11. リクルート / じゃらんnet(OTA)…情報収集中。
※売上10位内目安で、電話確認でヒアリングを行いました。
※他のOTA(楽天トラベルや外資)は、窓口がメールや代理店のため回答が得られにくいと想定しヒアリングを行っていません。

 

 JTBを除いて、今後の各社の対応可否や内容はまだ分かりません。いずれも、日頃から地域での被災発生とその支援の基本方針は設けられていないという印象を受けました。一方、地域を活用してビジネスを展開する大手旅行会社は、常態的に地域への社会責任の意識を持ち、現場での観光危機管理対応を含め、一定の活動方針について経営陣と広報部、各支店で連携するなど、早々に地域を励ます第一声や具体アクションが行われることを求めたい業界とも考えられます。

 

 他業界の大手企業では、GMOLINEヤフーほかIT企業は早々に支援金の受付体制を構築し、SNSで感謝の声が上がりました。また、日本パン工業会では、災害が発生すると加盟企業が連携し(山崎製パン、敷島製パン、フジパン)、現地に支援物資を届ける体制が構築されていて、賞賛を受けています。なお、旅行業界を代表する3団体では現状、1団体が元旦に公開した年頭所感に少しの文章の追記に留まります。

 

 コロナ禍、旅行業界では公共事業などにおける不正が相次ぎ、信用・信頼が落ちました(独自調査)。それを考えるなら(旅行業界全体で)、不正の反省と再発防止は当たり前の年頭所感として、現状を捉え、能登半島地震の復興支援に前のめりに発信する姿勢こそ、今求められているかもしれません。

 

 北陸地方は2024年3月、北陸新幹線敦賀駅開業を迎えます。現実的には、能登地域と結ばれていた「金沢駅」よりも先の地域に旅行者を送客することが目的とされます。これを背景に旅行会社は、どのようにハンドリングして、能登地域の復興と発展に貢献するのでしょうか。

 

 大手旅行会社は、コロナ禍の旅行支援と旅行のV字回復の恩恵を受け、人物金が揃っています。能登半島地震の復興支援では、国の復興予算をあてにするのではなく、自社としての取り組みを最大化して、その意味を説明することこそ、旅行業界の真の信頼回復と地域プレイヤーとしての社会責任を果たせるのではないのでしょうか。

 

 能登半島や北陸地方への実効ある支援は、地域社会と共存共栄する企業姿勢の象徴となるはずです。今後、大手旅行会社の一挙手一投足が注目されます。

 

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