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竹富島の温泉リゾート建設計画に地元住民は断固反対

 沖縄県八重山諸島の竹富島(竹富町)では2023年末から、地元観光事業者が2025年1月の開業を目指す、温泉リゾート施設「ピースアイランド竹富島温泉(仮称)」の建設計画に、地元住民から強い反対の意思が示されました。

竹富島

 島内で「ホテルピースアイランド竹富島」を運営する竹富島黒潮観光が、同ホテルの近くで温泉リゾート施設を計画し、2019年に竹富町の審議会で建設計画が承認されました。当時、この施設は「日本最南端の温泉」として注目されましたが、コロナ禍を経て、ようやく2023年12月21日に地鎮祭が行われました。この期間、建設承認時の町長が収賄容疑で逮捕・起訴され、2022年4月に新町長が就任しました。

 

 地元住民は、島の神聖な場所「真知御嶽(マーチオン)」の近くに建設されることを理由に反対しています。事業者による地鎮祭後の24日に開催された住民の臨時総会では、反対165票、賛成33票、中立9票という結果が出て、建設に対する反対決議が示されました。この決議には法的拘束力はないものの、島民の意思が明確に示されました。祖先神をまつる御嶽(うたき)は、沖縄県全域に無数にあり、県外の旅行者にも、その重要性が理解されているような場所とも言えます。
 また、今年1月6日には、真知御嶽の管理者が町長宛に反対の意見書を提出し、11日には「竹富島を守る会」が臨時総会を開催し、今後の活動方針を示しました。

 

 竹富島黒潮観光の代表者は地元メディアの取材に対し、法の範囲であることや御嶽から最大10メートル以上確保するなど、これまで説明会を実施してきたこと、雇用や温泉による税収増加に貢献すると答えています。

 

 よい旅編集部が竹富町まちづくり課に聞くと、「島民と業者の溝は大きい。今対応ができていないが、町も合意形成の場作りを促すなど考えなければいけない部分はある」とし、施設開業時の経済効果について聞くと、「町としてそれを期待しているということはない」と説明します。

竹富島憲章とリゾートホテル建設

 竹富島は周囲約9.2kmで、島民341人(2023年12月時点)という非常に小さな島です。石垣島から日帰りで訪れる旅行者が多く、コロナ前の2019年は約51万人が訪れていて、オーバーツーリズムの問題も抱えています。なお、同年の八重山諸島全域での入域客数は約148万人で、約34%以上が竹富島を訪れていることになります。

 

 竹富島には、1986年に島民が自主的に定めた「竹富島憲章」という規則があります。この憲章は、島の伝統的な景観や文化を保護し、島の自然環境と調和する持続可能な発展を促進することを目的としており、島の開発を抑制する役割を果たしています。さらに、島に宿泊施設が少ないため、石垣島へ戻る最後のフェリーの出航後は静寂が戻り、夜間に旅行者が島を荒らすことが避けられるというメリットがあります。数年前、よい旅編集部の記者が竹富島に訪れた時、地元住民から「夜でリセットされる」と聞きました。

 

 現在、竹富島には合計11カ所の宿泊施設があり、そのうちリゾートホテルは「星野リゾート」と「ホテルピースアイランド竹富島」の2カ所で、他は小さな民宿です。島でのリゾートホテル建設をめぐっては、外資系ファンドに取得された土地を「星野リゾート」が買い戻した経緯から、「星のや竹富島」が2012年6月に開業。その翌月に「ホテルピースアイランド竹富島」が開業しました。その後、本島の不動産会社が島の名所であるコンドイビーチでのリゾートホテル開業計画を発表しましたが、住民の反対を受けて、現在、その動きは停止しているようです。

 

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