大阪万博協会は2024年6月24日、「2024年度 途上国支援対象国のPR施策業務」の委託事業者として「途上国支援対象国のPR施策業務共同企業体」を選定したと発表しました。
この業務は、経済産業省の2023年度補正予算事業で、委託上限金額は704,403,216円です。万博協会を通じて公募され、受託者は途上国支援対象国をPRするガイドブック制作やバーチャル展示を担当します。「途上国支援対象国のPR施策業務共同企業体」は、他の提案者と比較して運営体制が高く評価されました。
公募には2つの共同企業体が企画提案を行い、その結果「途上国支援対象国のPR施策業務共同企業体」が選ばれましたが、その構成事業者が公表されていません。一方、落選した共同企業体は広告大手の大広と制作大手の博報堂プロダクツと公表されています。
これについて万博協会の担当者は「現行のルールでは、共同体での契約時は共同体名のみが公表される」とした上で、「今後は共同事業体でも幹事社を公表する契約手続きに移行する」と説明しました。透明性の確保のためかと問うと、「万博協会としてそれを方針とした」とのことです。
※段落の意味を変えずに、幹事社の公表の理由(透明性の確保)が担当者個人の思いではなく、万博協会の方針であることについて、一部表現を変更しました。 |
複数の企業が共同で事業提案を行う共同事業体は、公共事業のプロポーザルでは一般的です。通常は構成事業者も公表されますが、大阪万博事業では2023年度の大阪・関西万博「Co-Design Challenge」におけるブランディング・プロモーション計画実施業務12,499,938円※)でも、最終契約者の大阪・関西万博「Co-Design Challenge」共同企業体の構成事業者名は明らかにされていません。今回も同様に、事業名が共同企業体名に採用されています。
今回、編集部が6月24日の昼に事業者選定結果を確認した際、最優秀提案者「途上国支援対象国のPR施策業務共同企業体」(広告大手A社+グループ制作会社)の構成事業者名が記載されていましたが、同日夕方には事業者名が削除されていました。これについて万博協会に尋ねると、「共同企業体の幹事社公表の端境期で誤って公表した」との説明を受けました。
広告大手A社は、東京五輪汚職事件で持ち株会社の前社長が有罪判決を受けたため、昨年10月まで万博事業は指名停止でしたが、現在は万博事業に参加可能です。A社は2017年に米国投資ファンドB社の傘下に入り、翌年に上場廃止を選択しました。
なお、米国投資ファンドB社は大阪府市が掲げる「国際金融都市構想」に参画し、昨年大阪市内にオフィスを構え、大阪におけるビジネス拡大を狙っています。