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【沖縄離島レポ(前半)】週末旅行と相性抜群の慶良間諸島「阿嘉島」

東京から行く週末の沖縄離島は、どの島に行くかやアクセス計画、気構えで、時間に追われずゆっくり島時間を過ごせます。この阿嘉島1泊2日のレポートが参考になれば幸いです。

オフシーズンにハイシーズンの旅を体験

4月4日(火)発表されたANA今週のトクたびマイルに羽田~那覇が片道4000マイルで出ていた。3月後半のハイシーズンは7500マイルだったのでお得感を感じて、席を押さえた。GW前の4月前半はオフシーズン扱いだが、そもそも沖縄という場所がオフシーズンではない。

 

ハイシーズンとオフシーズンは、カレンダーにともなう人流に比例するもので、旅先のコンディションのよし悪しとは違う。梅雨入り前の4月前半、沖縄離島は夏を感じ始められ、混雑もなく、旅行者にとってはハイシーズンそのものだ。

 

予約した那覇便は4月7日(金)16:25発。当日は朝8時からお昼まで在宅ワークをして出発した。バスタ新宿から空港バスで羽田に14時過ぎに到着。荷物を預けた後、到着ロビーのタリーズで、ほどよい時間まで仕事をする。搭乗予定の飛行機は機材の関係で約15分遅れて那覇空港に向けて飛び立った。

 

那覇空港に19:25着。荷物ピックアップに30分以上かかったが、さっそくモノレールで美栄橋駅まで行き、徒歩で泊ふ頭旅客ターミナルビル「とまりん」に向かう。夜到着してその足で「とまりん」?理由は翌朝、慶良間諸島国立公園「阿嘉島」に向かうので、「とまりん」まで徒歩0分のスマイルホテルを予約したからだ。時間が少ない週末旅行は、発地から着地のアクセスは、ビッタビタに攻めたい。そんな日は、松山のことを忘れよう。

お手製MaaSでのシームレス風な旅

部屋は全国旅行割引で予約し、価格は4800円とかなりお手頃。この価格なら十分な広さとベッド幅だ。少々仕事をした後、歩いて1-2分のすし居酒屋で夕食を食べた。入店直後、ラストオーダーだったので飲酒が少なく済んだ。普通ラストオーダーと言われると寂しくなるが、この日はありがたい。離島に向かう朝は健康的でありたい。

 

4月5日(土)、9時頃起床し、30分頃チェックアウト。「とまりん」の弁当屋で沖縄らしい朝食と総菜、サーターアンダギーも買い込んだ。乗船券はスマホで購入済みなので、そのまま停泊中の「フェリーざまみ」に乗り込み、阿嘉島へ向け10:00に出港した。

「とまりん」からは慶良間諸島「阿嘉島・座間味島」「渡嘉敷島」、「粟国島」、「久米島・渡名喜島」、「北大東島・南大東島」へのフェリーがある。慶良間諸島便と粟国島便は村営のフェリーが運航している。

沖縄離島ターミナルとまりん 阿嘉島行き
高速船は欠航もよくある|目移りする時刻表
フェリーざまみ 阿嘉島行き 
スマホチケットのQRでOK
沖縄離島ターミナルとまりん 阿嘉島へ出港
出航後、間もなく慶良間諸島国立公園エリアへ

阿嘉島まで1時間30分で到着した。昨日の夕方、東京から移動してきて、今、国立公園に指定される沖縄離島にストレスなく到着した。発地から着地までシームレス風に結びつけた、お手製版MaaSとでも例えておきたい。

 

阿嘉島を選んだ理由

阿嘉島を選んだ理由は、短い週末ながら慌てず急がず、ゆったりと島時間を過ごしたかったからだ。那覇からアクセスしやすい慶良間諸島の中でも阿嘉島が合っている。

 

阿嘉島にはレンタカーがない。本島から車を持ち込む以外、島内移動は徒歩またはレンタサイクルか原付だ。通常、離島に行くと端から端まで動きたくなるが、2次交通が弱いからレンタカーを使う。一方、阿嘉島は集落からの行動エリアが集約され車は必要ない。

 

また、車が必要な離島の場合、昼間にビールが飲めない悲劇が生まれる。他人が飲むビールがうらやましく見えたり、運転手思いの同行者もビールを断念したり。何かの罰ゲームのようだ。2泊以上滞在するなら余裕があるが、週末限定はちと厳しい。

 

阿嘉島は10年程前、沖縄本島に移住した友人のところに遊びにきた際、訪れたこともあった。当時の懐かしさ感じたいのと、土地勘が頼になると思っていた。

 

阿嘉島に上陸

沖縄離島阿嘉島上陸
阿嘉大橋|向こうは慶留間島(げるまじま)

離島旅の気分をぐっと上げてくれる最初の場面は、フェリーが接岸する時だ。堤防には出迎えと見送りの人たちがいる。港にはお世話になる民宿のスタッフが迎えに来てくれていた。宿まで車で1-2分。前日、観光協会に問い合わせ、土曜日に部屋が残っているという宿を何件か教えていただいた。その中からビーチと漁港が目の前にある「宝生(ほうせい)」にした。阿嘉島は民宿かダイバー系のペンションが宿になる。

阿嘉島 宝生

 

特に旅の直前に宿探しする場合、ネットを見る前に観光協会に問い合わせるとよい。加盟している宿の空き状況を同時に確認ができることが多い。公平性の観点から、特定の宿を推薦されることはないが、自分なりの質問をするとよい情報を聞くことができる。ネットでレビューを見たいならその後でよい。宿泊に限らない。旅マエでも旅ナカでも観光協会を頼れば、その土地の理解が進み、旅行がスムースになる。
旅先でスマホばかりに目を落としていては、せっかくの景色を見逃がすのはもったいない。

 

阿嘉島港の風景や港から集落への道は忘れていた。阿嘉島初上陸の気分だった。

阿嘉島 宝生のオーシャンビュー
宝生からオーシャンビュー
阿嘉島 前浜ビーチ
前浜ビーチ

部屋に荷物を置いて、さっそく向かったのは漁港だ。まず釣りから始める。手荷物でコンパクトロッドを持ってきた。現場は漁港内なのに、海の透明度が高過ぎで、結構深そうだが底まで見える。上からのぞき込んでも魚1匹泳いでいない。これは沖縄あるあるだ。沖縄は魚がいるところには信じられないくらい固まっているが、全く魚の気配を感じない場所もよくある。大抵、海の透明度の高い場所だ。それでも漁港近くにあるちょっとしたリーフに行けば魚はいるはずだが、今回、そこまで気合が入っていないのと、外海は風が強そうだから釣りは早々に止めた。

阿嘉島の港
漁港の足元

レンタサイクルで折り返し地点「慶良間空港」へ

では、レンタサイクルを借りて、阿嘉島から橋を渡り慶留間島を抜け、無人島の外地島(ふかじしま)にある慶良間空港まで出掛けよう。阿嘉港から3.2km、徒歩40-50分くらい。これで3島制覇できるとはお得だ。集落には自転車を貸し出す店が2-3軒ある。今回、「スーパー辰登城」という商店でママチャリを借りた。4時間で800円。

 

阿嘉港
阿嘉港
阿嘉橋からの絶景
阿嘉橋からの景観

特に島間の橋の前後は高低差がきつくお察しの通りだ。歩いて自転車を引いた方が楽と分かるが、降りたら負けだ。最後の魔の坂を除き、つらくても立ちこぎして前進する。途中、戻ってくる人とすれ違うと、にやにやしているが、つらい表情に違いない。慣例の「こんにちは」のかけ声は、体力が残るこちらの方が大きい。戻りの人の状態を考慮すると、笑顔で会釈だけし、声だしのあいさつは不要かも。後で旅行者と話をすると、お互いに自分がどれだけ坂道で頑張ったかについて話をすることになる。

慶留間島の万年累積の岩石
慶留間島の万年累積の岩石
慶留間小中学校
世界遺産レベルの慶留間小中学校
慶良間空港の手前の坂
魔の坂の中盤くらい
慶良間空港
那覇と結ばれるチャーターヘリ発着地|船欠航日にチャーターすると座間味村から補助が出る


阿嘉島のハイライト「ニシバマビーチ」

15時頃、阿嘉島に戻ってこられた。まだ空は明るくレンタサイクルの返却時間まで余裕があるから阿嘉島を代表するスポット、ニシバマビーチに行くことにしよう。ここは北浜ビーチとも書く。沖縄通なら知っていると思うが、沖縄弁だと、東(アガリ)・西(イリ)・南(ヘー)・北(ニシ)となる。

阿嘉島ニシバマビーチ
向こうは座間味島
阿嘉島ニシバマビーチ
素晴らしい展望デッキ|WiFi完備
阿嘉島ニシバマビーチ
これでも荒れ模様

現場では太陽が雲に遮られ、ゴーゴーと音を立てた強風が吹きあれ、完成形のニシバマビーチではなかったが、この写真でも十分美しさが伝わると思う。太陽が海と浜辺をギンギンに照りつけ、無風の時は、もっとすごいよ!と肩を持ちたくなるくらい美しい場所だ。

 

ニシバマビーチは集落から外れと言っても距離は1.5km程度。前回このビーチでシュノーケリングしたのをはっきり思い出してきた。もう10月後半だったけれど暖かい日だった。最終日の天候のようだ。浜辺近くから急深の地形で、ほんの数メートルからサンゴが群生し、周りに複数の熱帯魚群が配置され、短い距離をシャープに移動する。人の顔をしたような巨大なブダイが人懐こく後を追いかけて来た。

宝生 夕食

 

食後、1時間ほど釣りをしてみたがノーフィッシュだった。夜釣りは海面が見えない分、足元に魚がいると思い込みやる気を高めるが、出ない時は絶対に出ない雰囲気がある。釣り好きは気長な人が多いと言われるが、そうでもない。景色が見えない夜、反応がないのにルアーを投げて巻いてを繰り返すと苦行となる。

 

宿に戻り、シャワーを浴びた後、ビールを飲みながら沖縄の番組を見て、横になっていると、いつの間にか寝ていた。深夜に目が覚めて気づいた。集落で24時まで営業しているバー「ヨナミネハウス」に行こうと思っていたので、やってしまった感もあったが、離島の夜は布団で眠ること自体が心地よいからよいとしよう。(後半へ

 

★今年の座間味村(阿嘉島・座間味島)の海開きは4月15日(土)です。

 

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