先週末、岐阜県飛騨古川の春の風物詩、鯉の引っ越しを見学するために、ほぼ1泊1日で旅してきました。その様子を3回に分けて配信します。前編では、旅の理由と飛騨古川の手前の高山到着までを紹介します。
城下町・飛騨古川の風物詩・鯉の引っ越し
岐阜県飛騨に小さな城下町・古川があります。記憶に新しいのは2016年の大ヒットアニメ映画「君の名は。」の舞台となったこと。国内外から多くのファンが訪れました。
古川の印象深い風景の中にある瀬戸川と白壁土蔵街では、鯉が泳いでいます。町中に並ぶ雰囲気ある民家に沿って流れる瀬戸川は、冬の間、除雪した雪を流すために使われています。そのため、11月下旬には鯉を近くの天神池に移し、4月初めには瀬戸川に戻す作業が行われます。鯉の引っ越しは、春と冬の訪れを感じさせる風物詩です。
今春の鯉の引っ越しは4月2日(土)でした。決戦?の前日の「ヒダスケ! – 飛騨市の観光案内所₋」からのツイート。鯉が泳いでいるのを見慣れてる瀬戸川を知っている人にとっては興味深い写真です。
明日は瀬戸川鯉の引っ越しヒダスケ!
— ヒダスケ!ー飛騨市の関係案内所ー【公式】@2021 年度グッドデザイン賞受賞 (@hida_hidasuke) April 1, 2022
約1,000匹の鯉たちが瀬戸川に戻ってきます🐟
集合場所は、
増島城跡のお堀(天神の池、岐阜県飛騨市古川町片原町8−35)
になりますのでお間違えなく!
見学などでもぜひお越しください〜😁
▼詳細はこちらhttps://t.co/puezEa8mT8 pic.twitter.com/MSVivAxHEy
新宿から飛騨高山・古川
今回の旅は4月1日(金)夕方、東京駅の新幹線のぞみ号で名古屋駅へ。名古屋からは高速バスでそ日の内に高山駅(23:30着)へ。高山で1泊して翌朝に高山本線で飛騨古川へと向かいます。復路は4月2日(土)、高山駅発、高速バスに乗り、夜バスタ新宿へに戻る予定です。1泊2日というよい1泊1日旅行です。
飛騨古川の旅の目的
この旅は鯉の引っ越しを目撃し、新宿から飛騨までの移動を検証する目的がありました。記者には鯉の引っ越しとの因縁がありました。過去には作業体験に申し込みながら、当日無断欠席という失態をおかしたことがありました。その日の朝、小田原の海で釣りをしていた際、1本の電話が鳴り、それは出欠の確認でした。そうした背景があり、今回は作業には参加せず、見学のみ行い、その体験を記事にすることで、少しでも飛騨古川について発信ができればと考えていました。
新宿駅地下街で飛騨をPRする観光案内所
新宿駅西口は鉄道や百貨店が集まることから京王ブランドが目立ちます。たまに通る都営線新宿駅と新宿駅西口を結ぶ地下街には、京王が運営している「中部地方インフォメーションプラザin京王新宿」という観光案内所があります。ここでは、中部地区の長野や山梨、岐阜、富山の観光をPRしています。ここで「バスタ新宿」と「飛騨高山」間の高速バスについて知りました。
東京(新宿) と 飛騨古川ルートの選び方
飛騨は有名な観光地ですが、都心から鉄道を利用してアクセスするには少々手間がかかります。王道ルートは、東海道新幹線で名古屋駅へ行く方法です。名古屋駅からは特急列車で約2時間30分かかります。また、北陸新幹線開業以降、新しい推奨ルートとしては、新幹線で富山へ行き、そこから高山本線で約1時間10分ほどで飛騨古川に到着します。富山と飛騨は歴史的にも越中飛騨として知られ、意外に近い距離です。ただし、富山到着後、岐阜への県越えは、特に首都圏からの旅行者にとっては、心理的な距離があるかもしれません。
ここで提案したいのは、新宿からの高速バスです。所要時間は5時間30分かかりますが、乗り換えの煩わしさはありません。ひたすらバスに乗っているだけなので、車内では脱力して移動ができます。加えて、途中で立ち寄るサービスエリアでは長野や岐阜のご当地グルメや景観も楽しめます。
整理すると、電車の場合、全乗車時間が3時間10分~4時間以上。加えて、移動や待ち時間で30分~60分が必要でしょう。これに対して高速バスは、運賃も電車よりかなり安く、魅力的な選択となります。
往路は名古屋から高速バス、復路は高速バス
4月2日早朝8時頃に始まる鯉の引っ越しに間に合わせるため、前日夜に飛騨高山に到着している必要があります。しかし、コロナ禍と季節の時刻表の変更でバスタ新宿発の高速バスの最終便は14:35に設定されています(コロナ前は17:05)。その日、夕方まで東京を離れることができないため、最終バスを利用することができません。往路については高速バスの利用を見送ることになります。
名古屋めしをもとめて
名古屋到着後、待ち時間なく飛騨高山行きの高速バスに乗り継げる選択肢はありましたが、急ぐ必要はありません。今は名古屋にいるのですから、名古屋めしを楽しみましょう。駅の地下街にあるみそかつ・矢場とんへ向かいました。少し並びましたが、約10分で入店。定番のロースとんかつを注文し、甘タレが染みこんだ南九州産ロースとご飯を堪能しました。
名古屋から高速バスで飛騨高山へ
食後、直ぐそばのバスターミナルに向かい、切符(片道3,100円)をこ購入し、約1時間バスを待ちます。定刻20:45に名古屋を出発します。アナウンスで到着予定時刻を聞くと時間の長さを感じますが、自分時計的には余裕があります。高山で宿泊するホテル「飛騨花里の湯 高山桜庵」では、屋上温泉露天風呂が25時まで利用可能です。高山には23:20に到着予定で、23:30にチェックインすれば1時間は温泉に浸かれます。
高山駅に到着
バスは定刻前に高山駅「濃飛高山バスセンター」に到着しました。ホテルまでは徒歩約5分。途中にコンビニで缶ビールと裂きイカを購入。ホテルに到着してチェックインを済ませると、スタッフが「そこの飲み物とおつまみをどうぞ」と案内しました。宿泊プランにはビールとチューハイ、水、豆、スナック、裂きイカが用意されていました。ビールと豆をもらい11階の部屋へ向かいます。このホテルでは、チェックインカウンター横の靴箱スペースに靴を預けるシステムがあり、施設内は全面座敷で、スリッパが不要なため、素足で快適に過ごせます。
高山で屋上温泉露天風呂
部屋に荷物を置いた後、すぐに13階の屋上露天風呂に向かいます。大浴場は貸し切り状態で、いくつかある個室風呂も空室です。ここの露天風呂は頭上に屋根がなく、前方には広く高山市街地が広がっています。明るい時間帯に見えちゃうんじゃないかと思うほどの開放感です。ドーミー系のホテルなので温泉はもちろん、朝食も良く、コスパの良さで知られています。部屋に戻って缶ビール2本とつまみを楽しみ、夜を終えました。もしフロントでビールをもらっていなければ、もう1本自販機で購入していたでしょう。
2日目朝からは中編で。後編では、晴れ渡る空の下で行われる鯉の引越し作業や、飛騨古川の街並み、復路の直行バスについて紹介します。