岐阜県・飛騨古川の春の風物詩・鯉の引っ越し見物へ(前編)に続きます。
飛騨高山の朝
(前編)4月2日(土)飛騨高山の朝を迎えました。6:30起床、確か6時にモーニングコールが鳴っていた記憶がありますが、朝風呂は諦めました…
窓から外を見ると、驚くほどの快晴が広がっています。見晴らしのよい街の向こうには適度な高さの山々が連なっています。鯉の引っ越しを見学するのは最高の日和です。出発前に朝食会場へ。ドーミー系の朝食は、郷土料理の和食や洋食、サラダ、ドリンクなど種類が豊富で、どこに泊まっても期待を裏切りません。お世話してくれるスタッフは地元のおかあさんたちで、気持ちよく接してくれます。
飛騨古川への移動
朝食後、7:20過ぎにチェックアウトし、JR高山本線高山駅へ向かいます。乗車予定の電車は、高山駅から7:40発、飛騨古川へは7:59に到着します。前の電車は始発で5:32発、次の電車は9:40発です。路線バスも9時台に出るため、7:40発の電車の一択になります。
出発10分前に高山駅に到着し、ホームで待機する列車に乗り込みます。発車後、飛騨の平野部から奥の山脈へ入り込む感覚があります。飛騨古川駅に到着後、駅舎を出ると懐かしい街の光景が広がります。古川は最近では2018年、それ以前は2013~2014年に数回、仕事で訪れていました。その際は富山県からレンタカーやバスでアクセスしていました。このエリアは越中飛騨と呼ばれ、そのルートなどをPRしていたわけです。
懐かしい飛騨古川の駅前と謎の列車
飛騨古川駅到着後、すぐ駅舎の隣にある跨線橋(こせんんきょう)へ向かいました。この場所はアニメ映画「君の名は。」の代表的なシーンの舞台として知られています。その時、高山方面から?の列車がホームに停車しました。次の列車は9:59に到着だと思っていましたが、それは特に気を留めませんでした。この記事を書きながらモヤモヤしてきたため、JR東海の広報部に聞いてみると、「確認後折り返すが、1週間かかるかもしれない」という意味不明な回答でした。それほど重要なことではないので、1週間後の返答を断りました。
鯉捕獲地の天神池へ
天神池に向かいます。この街は駅を目安にすると分かりやすいデザインになっています。街中は細い路地が主です。レンタサイクルも利用できますが、街中は徒歩でちょうど良いい感じです。少し郊外に出る場合は自転車を利用しない術はありません。街中から5-10分も行けば、田園風景の中を疾走でき、非常におすすめです。
駅から瀬戸川まで約5分で到着します。すでに作業の真最中で、激しく進めているわけでなく、むしろ淡々と進行されていました。この池は、安土桃山時代に存在した増島城の跡地にあるお堀です。見た目は街中の控えめな池という印象でした。
鯉の捕獲には大きな網を使って、鯉を捕らえるエリアに誘導します。そこにできたプールからタモで鯉を捕獲します。池の水は抜かれていいますが、どこかのテレビ番組のように大量の水を抜ききるわけではないので、鯉たちも苦痛は少なそうで泳ぎ続けています。鯉を追うスタッフにはタモを操るテクニックが必要です。タモで捕獲した鯉は流れ作業で、次々と軽トラの荷台に運ばれていきます。
鯉の数は1192匹
スタッフの人数を尋ねると約30名とのことです。市や観光協会、地域おこし協力隊、ボランティア(ヒダスケ)、住民有志による構成です。移動させる鯉の数を聞くと、笑いながら1,192(いいくに)匹と答えました。正確な数はそれほど重要ではなく、古川が「いいくに」にるよう願い込めて鯉の引っ越しをしています。
瀬戸川への移動
そろそろ瀬戸川へ移動します。見学者にとっての見どころは瀬戸川での鯉の放流です。作業側の重点は天神池での鯉の捕獲でしょう。大変な作業の後、瀬戸川を泳ぐ鯉を見ると、疲れも吹っ飛ぶことでしょう。
天神池から瀬戸川は歩いて約10分です。普段は甲州街道を行き交う車を横目に歩いている時間です。それに比べて、古川の街並みを歩く10分間は、ずっと豊かな時間に感じます。
瀬戸川にある象徴的な白壁土蔵地点に到着しました。新聞社やテレビ局が取材に来ている中、ちょうどその時、軽トラックが鯉を運んできました。鯉の放流地点は瀬戸川を4エリアに分け、それぞれ軽トラックを割り当てていますが、次の車両がどのエリアに放流するかは明確ではありません。運搬は約30回行われ、約1000匹の鯉が引っ越しします。
放流は白壁土蔵のあるブロックから始まり、見栄えの良い色のついた錦鯉を最初に放流します。他の真鯉はその後で景観を考慮して放流されます。
記事は後編に。