岐阜県最北端に位置する飛騨古川では、2024年4月6日の朝、人気スポット「瀬戸川」に、冬を近くの池に移されていた鯉が川に戻される「引っ越し」が行われました。長い冬が終わり、春の観光シーズンを迎えています。
その昔から農業用水や野菜洗いで利用されていた瀬戸川は、戦後、生活排水により川の汚れが目立つようになったため、約50年前に川の美化を目的に鯉が放流されました。現在は約1,000匹の鯉が泳ぐ瀬戸川と白壁土蔵街が、飛騨古川を象徴する撮影スポットとして知られています。冬は住宅の屋根に積もった雪を瀬戸川に流すため、毎年11月、鯉を近くの天神池へ移し、4月に川に戻すことが季節の風物詩です。
4月6日(土)の朝、観光協会や地元中学生、ボランティアら約50人が天神池に集まり、池から鯉を網ですくいあげ、軽トラックで瀬戸川まで繰り返し運びました。瀬戸川に戻り、群で泳ぐ鯉の姿は優雅です。鯉が川に馴染む5月上旬から11月上旬には、川沿いにエサ箱が設置され、鯉にエサ(100円)をあげて楽しむ観光客の姿が見かけられます。
飛騨市観光協会の渡邉会長は、「飛騨古川に春が訪れ、訪れる人々に町並みの美しさを感じてほしい」と話しています。