よい旅ニュース通信  ~日本のすみずみを旅先に。~

menu
  • Instagram
  • Twitter
  • Facebook

【レポ(前半)】「伊勢志摩BASE」でグランピング体験|あの写真プリント会社がプロデュ―ス

今年4月、伊勢志摩の三重県志摩国立公園内に、グランピング施設「ザ・グランピングプラザ 伊勢志摩BASE」がオープンしました。この施設は、全国で写真プリント事業を展開するプラザクリエイトが運営しています。施設の特徴を紹介し、宿泊体験をレポートします。

グランピング施設「伊勢志摩BASE」

「伊勢志摩BASE」は、“心あたたまる上質なプライベートグランピング”の提供をコンセプトに、全7棟のドーム型テントがあります。各テントにはプライベートが保てる広々とした屋根付きデッキスペースがあり、テントにはシングルベッド2台とエキストラベットが設置されており、最大4名までの宿泊が可能です。部屋のタイプは「スタンダードルーム」とスマートTV付き「シアタードーム」の2種類があります。デッキスペースには食事スペース、トイレ、シャワールームが完備されています。

 

伊勢志摩BASE到着時には受付の建物内のフリーバーでウエルカムドリンクが提供されます。ビールやワイン、ソフトドリンクが用意され、チェックインから20:30まで無料で飲み放題です。さらに、有料で地ビールや地酒、ワイン、スパークリングワインも用意されています。

 

夕食時では地元の食材を使用した「グランピングBBQ」メニューが提供されます。「定番」と「特選」の2つのプランがあり、松阪牛などの地元の食材を自分で焼いて楽しむスタイルです。素泊まりプランでは食材の持ち込みも可能です。朝食では、自分で焼いた松阪牛をチーズや野菜とバンズで食べます。

 

 宿泊料金(4名1室)はスタンダード大人1人1万7600円~・シアター1万9800円~(大人1人)で、志摩藍染体験付きプランなどもあり。予約は施設サイトから。

 

 チェックイン15:00・チェックアウト10:00。朝食8:00~9:30・夕食17:00~20:30で調整可。

 

【宿泊レポート】

2023年5月半ば、伊勢志摩BASEのオープニング企画の宿泊体験に参加した。志摩半島と言えば、2016年のサミットを契機に、リアス式海岸が広がる英虞(あご)湾の美しい風景が広く知られた。過去、名古屋から日帰りで志摩半島入り口の鳥羽に数時間滞在したことがあるくらいだったので、伊勢志摩BASEに訪れることが決まり、ワクワクした。※伊勢志摩BASEの利用費(宿泊・食事)は施設から提供さています。

名古屋から志摩なら近鉄特急が正解

伊勢志摩BASEは、賢島駅の2駅手前の近鉄線「鵜方(うがた)駅」から車で約7-8分だ。金曜の朝、東京を出発し、なぜか5時間近くかかり鵜方に到着した。原因の一つは、チョイスした路線の問題だ。「名古屋駅」からJR特急に乗継ぎ、途中で近鉄特急に乗りかえを計画したが、初めから近鉄で直行すればよかった。新幹線とJR特急の乗継割引の恩恵はあるが、「松阪駅」で近鉄特急への乗継に時間がかかった。当日は雨だったので待ち時間が長く感じられた。結論として、鳥羽から先の志摩エリアは、そもそもJR特急は運行していないのだから、近鉄特急一択がよいだろうと思う。

大雨の中、志摩市の玄関口「鵜方駅」へ

志摩半島の玄関口 鵜方駅

「鵜方駅」に到着し、昼飯を食べるために駅前の「うがたファミリープラザ」の定食屋「杉の子」に入り、焼き伊勢うどん定食を注文した。ほどよくソースが絡んでぷよぷよしたうどんはご飯のおかずにぴったりだ。昼食後は、1階のカフェ「トキノホームコーヒー」で、コーヒーを飲みながら、宿スタッフの迎えの車を待った。このビルには、複数の飲食店が入っていて、電車の乗降前後の居場所にもなりお薦めだ。

伊勢うどん

 

先ほど路線ミスと伝えたが、実は当初の計画で、鵜方手前の「松阪駅」か「伊勢駅」で電車を降り、レンタカーを借り、釣りをしながら現地に向かおうと考えていた。しかし、名古屋から雨に降られた。事前から天気予報も雨だったが、5-6回に1回は予報が外れるものなので、突然晴れてはくれないかと、一路の望みをかけていた。
そして、「松阪駅」と「伊勢駅」を過ぎても雨が降り続き、「鵜方駅」に到着した。そうして、駅から急遽、迎えをお願いした。施設スタッフさんが対応してくれて、本当に助かった。そして、迎えのワゴンに乗り込み、15時過ぎ頃に伊勢志摩BASEに到着した。

「ザ・グランピングプラザ 伊勢志摩BASE」へ到着

到着後は、天候から周囲の調査は諦めた。宿泊棟は、受付のある小屋の前方に宿泊棟が連なりゆるい弧の形を描いている。各宿泊棟には扉があり、内部に入ると、完全な屋根と3辺の囲みのデッキベース、前方にドームテントが配置されている。お隣さんを感じさせない、秘密基地のようなプライベートが守られる空間だ。写真は明るい翌日に撮影したものを後ほど。

 

その日は、夕方からビデオ会議があり、早速ワーケーションっぽくなった。会議の相手とは浅い付き合いなので、「今伊勢志摩からつないじゃってます!」とか無邪気に言える雰囲気ではない。ただ、背景をぼかし忘れ、デッキベースが映し出されてしまっていたので、相手はどう思っていただろうか。もちろん、それについて相手から触れることはなかった。

伊勢志摩BASE売りのフリーバー

ビデオ会議が終わると、金曜ということもあり、一気に開放感が出てきた。
そこで、受付棟にあるフリーバーにビールを取りに行く。20:30まで自由に利用でき、生ビールやハイボール、ワイン、ソフトドリンクが飲み放題だ。ビールは発泡酒系ではなく、約束通りビールで嬉しい。ただ、雨でちょっと行き来が大変だった。晴れていたら、星が輝く夜空と酔い心地で、バーとの行き来は楽しいだろうと空想しながら、行き来をした。

 

バーはセルフだが、毎度スタッフさんとは顔を合わせる。何度もビール注ぎに行くので飲み過ぎと思われてはいないか少し気にしたが、「たくさん飲んでくださいね」と声をかけられ、その後、ピッチを上げた。

志摩産食材がBBQスタイルのディナー

ビールばかり飲んでいるようだが、既に夕食の「定番BBQメニュー」は目の前にあり、食材を焼いて楽しんでいる。

 伊勢志摩BASE BBQメニュー

定番BBQメニュー

松阪牛サーロインステーキ
松阪牛フランク
英虞湾の恵み ヒオウギ貝 あおさ?油風味
車エビ串焼き
季節のグリル野菜 バーニャカウダソースとともに
魚介たっぷりのアヒージョ バゲット添え
ブイヤベース
ミニシェルパスタ
焼きバナナ シナモンシュガーとともに

伊勢志摩BBQディナー
伊勢志摩BBQディナー
伊勢志摩BBQディナー
伊勢志摩BBQディナー
伊勢志摩BBQディナー
伊勢志摩BBQディナー
伊勢志摩BBQディナー

とてもおいしい夕食を堪能した。松阪牛や英虞湾で捕れた魚介、野菜も伊勢産で、良質な地元の食材に満足した。種類も量もちょうどよい。

 

食後、外はまだ雨が降り続いていて、散歩には出掛けられない。テントにテレビもあるが、見る気にならない。酔いながらも少々仕事をしてから、シャワーを浴びることに。デッキスペースの裏側にコンパクトなユニットシャワールームが収められていて、ちょうどいい水圧でシャワーを浴びられた。

伊勢志摩BASE
伊勢志摩BASE

普段も旅先でも夜更かししがちだが、この夜は珍しく22時頃に寝た。
冬に夕食後、コタツで寝落ちすることを除けば、いつ以来か覚えていないくらい早い。就寝時、睡眠アプリで「雨」の音を選ぶことがあるが、その夜は、ドームテントに落ちる雨が心地よいリズムで鳴っていた。

 

 翌朝7時前に目が覚めると、日差しが出ていた。昨日は周囲を歩けていなかったので、軽く散歩をする。到着時のエントランスへのアプローチは、間に空き地があり住宅街とは離れているが、施設の逆側のエントランスの近くは住宅街があった。どのような経緯でこの土地に施設を建てたのかは気になるところだが、理由を聞きそびれた。今となっては、それ重要なことではない。

 

それよりもなぜ、お馴染みの写真サービス店「パレットプラザ」を展開している企業が、グランピング施設を運営しているのかについての方が、気になるだろう。

プラザクリエイトのグランピング施設への思い

写真プリント事業のプラザクリエイトは昨年秋、長野県飯島町の町立公園でグランピング施設「アルプBASE」の運営をスタートした。この施設が同社が手掛ける、初めてのグランピング施設になる。伊勢志摩BASEはその次の展開で、こちらは自主運営されている。

プラザクリエイト
プラザクリエイト公式サイト・トップページ

同社がグランピング施設の運営に参入したのは、コロナ禍で新たな事業を構想していた時、「記憶に残す写真サービスとともに、記録を作る宿泊施設を運営したい」と考えたそう。なかなかカッコいいコンセプトだ。写真プリント事業からの拡張性も感じられる理由だなど思うとともに、ロマンを感じる。
この記事を書いている時(7月上旬)、同社の公式サイトを見ると、トップページに伊勢志摩BASEの写真が掲載されていた。オープン直後の宿泊経験者として、かうれしかった。

伊勢志摩BASEのロケーション

Google地図によると、伊勢志摩BASEから英虞湾岸までの距離は700mで徒歩10分と示される。表示だけ見れば、その土地を知らない人は、「海まで歩こう」となるだろう。実際、行くつもりで、スタッフさんに話すと現実的ではないかもしれないと分かった。伊勢志摩BASEは、英虞湾岸から斜面を上がった高い位置にあり、Googleの表示以上に遠いようだ。あとで車で通ったら坂道で確かに歩きは大変そうだ。

伊勢志摩BASE宿泊棟の写真ギャラリー

昨日は雨で、施設の撮影がほとんどできなかった。明るい光の中で、受付棟と誰も利用していない宿泊棟に入らせてもらい撮影したので、紹介したい。

伊勢志摩BASE
伊勢志摩BASE
フリーバー(撮影用に並べたが利用時間は夜間)
伊勢志摩BASE
地ビールや焼酎など(有料)
伊勢志摩BASE
オープンデッキ(左奥扉からシャワー・トイレ・洗面+鏡・流し)
伊勢志摩BASE
伊勢志摩BASE
伊勢志摩BASE
伊勢志摩BASE
伊勢志摩BASE
伊勢志摩BASE
伊勢志摩BASE

自分で作るモーニング「松阪牛バーガー」

撮影が終わり、部屋に戻ると、朝食のバーガーセットが運ばれてきた。伊勢志摩BASEでは、モーニングも自分で作るのがコンセプトで、朝からグリルで松阪牛を焼く。バーガーというお題があって、体験プログラムのようだった。バーガーのほか、伊勢で大正8年に創業の山村乳業のミルクとヨーグルト付きなのも注目だ。朝、配達に来ているのを見かけた。

伊勢志摩BASE
清潔感を感じたモーニングセット
伊勢志摩BASE
チーズが苦手なのでアボガドかえてもらう

 朝から自作の松阪牛バーガーを食べると元気が出る。今日をやる気になったところで、スタッフさんに鵜方駅前のレンタカー店まで送ってもらい、予約しておいたレンタカーを受け取り、BASEに戻ってから、スタッフさんに見送られ、施設を後にした。

「伊勢志摩BASE」での滞在

初日、雨が降っていたため、夕方から夜にかけて本来の魅力を体験することはできなかったが、雨だったからこそ全天候型のデッキベースとドームテントのおかげで落ち着けた。過ごした時間を晴れの日に置きかえて想像してみれば、このグランピング施設では、きっと楽しい時間が過ごせるだろうとも思った。スタッフの意欲も感じられた。宿泊してから約2カ月経つが、きっと順調に運営がされていることだろう。

 

チェックアウト後、宿泊プランに付いている志摩藍染Tシャツ作りを体験し、志摩半島の有名な展望台に寄り、ついにあの景色を眺めた。後半記事で紹介します。

 

関連記事