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JAL、空飛ぶクルマなどの公募事業で不正受給 約2.9億円返還へ 大手企業グループで続く過大請求

野村不動産天王洲ビルディング(JALビル)
JAL本社が入居する野村不動産天王洲ビルディング

 日本航空(JAL)は2026年6月30日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業において、社員の業務時間を実態と異なる形で算定し、労務費を不適切に受給していたことを発表した。同社は受領済みの労務費のうち約2億9000万円を返還する。

 JALによると、返還金額はすでに受理した労務費約3億2000万円の約9割に上る。今後、客観的な資料によって社員の従事時間を確認できる労務費について改めて申請を行う。

 

 同社は、「返還対象のすべてについて社員が実際に業務に従事していなかったと認定したえわけではない」と説明する一方で、過去のメールやスケジュールが残っておらず、業務を客観的に証明できない時間についても返還対象に含めたとしている。

 

 問題が確認されたのは、空飛ぶクルマやドローンに関するNEDOの委託・補助事業。担当部署では社員が実際の業務時間ではなく、事前に割り振られた予定時間に合わせて業務日誌を作成する不適切な取り扱いが2021年度以降続いていた。

 

 社内調査によると、2025年度に始まった事業では、NEDOの予算を満額を得る意図から、管理職が予定時間に合わせて日誌を記載するよう社員に指示していたことが判明した。

 

 2025年9月には複数の社員がこの計上方法について疑問を示したが、管理職は問題を隠蔽し、日誌の偽装が続けられた。結果として、JALが組織として問題を把握したのは2026年1月となった。

続く大企業グループ「過大請求」事案

 コロナ禍以降、公的事業を受託した大手企業グループによる過大請求の発覚が続いている。

 

 2023年4月、近畿日本ツーリストは新型コロナワクチン接種関連業務で、契約上の人数を配置していないにもかかわらず自治体に委託費を請求していたことが明らかになった。

 

 電通グループでは、2023年9月に電通北海道が新型コロナ対策事業、2024年11月に旧電通テック(現・電通プロモーション)が厚生労働省の医療機関支援業務で、いずれも人件費などの過大請求が明らかになった。

 

 2025年5月には、ジェイアール東日本企画でも中央省庁などから受託した83事業で、業務に従事していない社員の作業時間を計上するなど、人件費を過大請求していた可能性が公表された。

 

 いずれのケースも、自社の公式サイトや年次報告書などで高いコンプライアンス精神を掲げている大手企業グループでありながら、発注者が検証しにくい人件費を不適切に操作し不適切な請求を行っていた。

 

 このほか、雇用調整助成金やGoToトラベル、全国旅行支援事業の不正受給なども含めれば、公的資金をめぐる大手企業グループの不適切な請求や受給は、公共事業の委託費にとどまらない。