東海汽船、酒気帯び乗務などで事業停止処分手続きへ 昨年4月の安全命令後も不適切事案

東海汽船は2026年7月31日、船員による酒気帯び乗務やアルコール検査の肩代わり、乗客が乗り降りする舷門(げんもん)を閉じない状態での運航などの不適切事案を理由に、国土交通省が一般旅客定期航路事業の停止処分などに向けた行政手続きを進めていると発表した。
今回の不適切事案は運航は複数の船で確認された。対象には東京・竹芝客船ターミナルと八丈島、大島、神津島方面を結ぶ航路が含まれる。事業停止処分となれば、夏季シーズンの旅行者だけでなく、船を日常の移動や物資輸送に利用する島民にも大きな影響が及ぶ。
同社は事実関係と原因を究明するため、外部の専門家で構成する調査委員会を設置する。国土交通省や東京都、島しょ部の町村と連携し、影響を最小限に抑えたいとしている。
関東運輸局は8月21日に同社の弁明を聞く聴聞を行い、その後、処分の有無や内容を決める。
昨年も複数の不適切事案で是正命令
東海汽船を巡っては2025年4月にも、関東運輸局が船員法に基づく是正命令と、海上運送法に基づく輸送の安全確保に関する命令を出している。2024年11月以降の立ち入り検査で、船員の労働時間超過や必要な教育訓練の未実施、非常時に備えた操練の未実施、航海日誌への虚偽記載などが確認された。
東海汽船は当時、「全社的な順法意識の欠如」があったと説明。伊豆諸島航路の入出港回数の多さや船員不足を理由に挙げ、過密ダイヤの見直し、船員の増員、労働時間管理システムの導入、安全管理体制の点検などを改善策として示していた。