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建築家の隈研吾氏が関与する大阪万博と能登復興-対立軸と共通点の複雑性

 2024年4月23日、2025年大阪万博に出展するカタール・パビリオンの起工式が大阪市夢洲で行われました。(写真:読売テレビYotube公式チャンネルの画面接写)

隈研吾が手がける大阪万博カタールパビリオン

 カタール・パビリオンのデザインを手がけるのは建築家の隈研吾氏(69歳)です。起工式において、隈氏は「2つの国のフレンドシップを象徴するには、海に浮かんでいる船が一番いいと思った」説明しました。パビリオンは来年2月末までに完成する予定です。

 

 さらに、隈氏は万博協会主催の「アースマート」プロジェクトのパビリオンも手がけています。大阪万博で隈氏が関与するパビリオンについて同氏が代表を務める建築事務所に聞くと、「各プロジェクトは、現時点で詳細をお伝えすることが出来かねる」との回答でした。この内容に基づくと、大阪万博で隈氏が担当するパビリオンが今後もさらに発表される可能性があることが示唆されます。

 

 隈研吾氏は今年4月7日、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市の市長とのつながりがあり、復興まちづくり計画のアドバイザーに就任したことが報じられました。その際、隈氏は「輪島の姿にショックを受けた。復興は市民と対話しながらやっていくことが重要」と話しました。なお、輪島市の関係者によれば、現時点で隈氏の具体的な活動は未定で、復興計画の検討委員会が5月に設立され、その後約1年間で具体的な計画を検討します。このプロセスで、隈氏に助言を求めることがあるとのことです。

 

 大阪万博と輪島市のまちづくり計画は対照的ですが、両者には持続可能性という共通のテーマがあります。ただし、大阪万博の開催については、能登半島の復興を優先すべきだとの意見が多数存在します。このような状況の中、隈研吾氏は大規模開発を伴なう国際イベントのパフォーマンスと傷を負った地域社会の復興という、異なるコンテクストで展開されるプロジェクトにおいて、隈氏は、持続可能性の観点からどのような成果をもたらすのでしょうか。

 

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